本を読んだ21/ムーン・パレス
- 作者: ポール・オースター,Paul Auster,柴田元幸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1997/09/30
- メディア: 文庫
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今回が初めてというわけではないのですが
この度記録に残すために再読
そしたら全然真面目に読んでいないことが発覚(汗)
良い機会を頂きました
背景がこれまたNYということで 最初の1/3くらいまでは度々「ライ麦…」を思い出しながら場面を混乱させないようにしてみた
リアルに景色が見えるのですごく臨場感があって 読んでいくとすーっと場面に入っていってしまうことが何度もあった
アッパーイーストの高級なイメージとセントラルパークの賑やかで明るい昼間の景色から日没へ向かう時間に襲ってくる物悲しい雰囲気
チャイナタウンの雑踏と独特な躍動感
要チップのチャイニーズレストランに入ると 必ず食後に運ばれるフォーチュンクッキー あれって日本ではないよな そういえば
彼の歩く一歩に自分が歩いた一歩を重ねて時々勝手に妄想していることがあったりして
ところでこの本 私がフィクションを嫌う要素がてんこ盛りだった
これでもか!これでもか!とセンセーショナルなことが起こり続ける 思わず次を読みたくなるように。
でも この度読んでみると そんな要素を純粋に楽しんでいることに気づいた
そして おそらく 私がページをめくりたくなったのは こうしたセンセーショナルな事象だけでなく その文体(特にこれは訳書、しかも柴田元幸さん訳なので気になったのだけど)やら構成やら あらゆる要素が重なった上での結果だったのだということ
こんな当たり前のことを今更ながら気づいてしまった(-_-;)
さらに これらフィクションも私の仕事人生においてかけがえのない財産のかけらになるということ こんな大事なことをおもいしったー!!!!
年頭の抱負で読書を掲げた私
ぜぇんぜん進んでいませんが こうした未熟な自分に気づき 成長するために 今後もこつこつとやってまいります
あ、そのセンセーショナルなストーリーのこと
本当はセンセーショナルなのは表舞台でのことだけであって 日常や非日常の中で常に大きく揺さぶられる内面が 特に男性的視点で深くえがかれているなぁと感じ 興味深かった
一度の人生で起きるすべての幸不幸、喜怒哀楽がいかに貴重かということを 毎日意識していこう
っと