うるるんフィンランド−10日目(5/31)

Eino&Irja

朝から一面霧の海 まるで夢みたいな景色
そう この10日間は全てが夢みたいだった
言葉も生活習慣も年齢も 何もかもが違う中 とまどい 不安もありながら少しずつ歩み寄ってきた
そんな矢先のお別れだから 辛くないわけがない
最初もコニャックなら最後もコニャックだと差し出されたグラスを見ただけでもじわっとくる
「乾杯!」の声も この部屋も


Jaanが最後のお迎えに来てくれた
これまでのお礼をして バス停でお別れ 本当にいい人だった


タリン行きのバスが来るまでの間 Irjaは日課の新聞を買いがてら 私たちにバナナとジュースを買ってくれた
バナナは 私が毎朝欠かさず食べていたから 
それを見たとき 思わず吹き出して笑いながら大泣きをしてしまった
これまで毅然としていたIrjaが私に近寄り 抱きしめてくれたことは一生忘れない


4人が互いに抱き合い 必ず再会しようと約束をして最後のお別れ
こんなにも悲しいものかと 自分でも自分がコントロールできなくなっているくらいに涙があふれた
10日間の充実した日々をあらためて実感した


バスは5日前に通った道をなめるように走っていく
そのスーパーも その通りも 全部知ってる道だよ〜・・・とまた悲しくなる
少し落ち着くと二人で思い出話をしながら笑って また少したつとさみしくなる
そんな繰り返しだった


バスは約3Hでタリンの港に到着
次の高速船の出発まで1Hくらいあったので ロビーのカフェで豪華にランチを頂く
なんたって物価が安いからね 今のうち、とピザやサンドイッチを注文(それでもこの程度なんだけどね)
フェリーは行きと比べて随分と空いていた 二人でビールを1つずつ注文 100分間でゆっくり飲むのはあの2人から学んだこと
せめてもう少し空が晴れていたらなぁ なんてとまらない涙を天気のせいにしてみたりして


ヘルシンキに到着したのは17時頃だった
久々の二人旅再開 でも気持ちは初日とは全然違う なんだか一回りも二回りも大きくなったみたい
トラムで中央駅まで行き 今日から3日間泊まる宿へと向かう
さすが首都 一気に人の多さも雰囲気も変わる 人種も入り乱れ 一気に私たちもこの雑踏にまみれる これまであんなに視線を浴びていたのがうそみたいに


宿はMatkakoti Margarita

中心駅の目と鼻の先にあるゲストハウス ロシア人のオーナーで 英語が話せる若い子もいるが オーナーはロシア語のみ
だから宿泊客も99%がロシア人という ちょっと不思議な雰囲気の宿
シャワーも良好 トイレもきれいだし 部屋も必要十分な設備で私たちには大満足
なんたって立地が最高じゃないか 


外はあいにくの天気 今にも泣き出しそうだけど
自分の気持ちを落ち着けて 散歩に出発
すぐ近くに 『過去のない男』で使用されたという公園がある 行くとたくさんの人がサッカーやフットボールをしたり 会社帰りの人が自転車で通り過ぎたり デート中のカップルが散歩したりしている
その横には植物園 すでに屋内施設は閉まっているようだったけど 屋外の公園を歩くだけでも気持ちが良い 敷地内にはオフィスのパーティらしき団体や カメラを片手に鳥を追いかけ回している、いかにも“鳥が大好き!”ってな雰囲気の男性 コスプレをして写真を撮っている恥ずかしがり屋なカップ
フィンランド人おもしろーい♪


前回は冬で人気もまばらだったエスプラナディー通り
やっぱり緑の濃い季節は雰囲気が全然違う!時間も遅く雨だったので今日はそれほどでもなかったけど これから週末だし楽しみだ


だいぶ雨が強くなってきたので アールトカフェのあるアカデミア書店でポストカードを見てからストックマンデパートへ走り込む
日本と同じく 夕方は仕事帰りの人が総菜を買ったり買い物を楽しんだりしている
夏でも多くの店が夕方早くに店じまいをするなか デパートは21時まで開いてるんだから観光客にはありがたい でも驚いたのは 日曜日も営業を開始したこと!やっぱり休んでいられないのかしら・・・
ストックマンの入り口近くにジェラートのお店があったので 今マイブームになっているピスタチオ味をお買いあげ
これが美味しいのなんのって!!!!一気に元気が出てきた感じ ってげんきんなものね、わたしって


アイスを買いがてら休憩していると デパートのお姉さんたちみんな英語が上手なことがとっても気になってきた 上手っていうかネイティブ?!ってくらい完璧なんだから みんな20代前半くらいの若者なのに!!
このことについては ヘルシンキ滞在中の私たちの大きな関心事になっていく


21時を過ぎるといよいよ行き場所が限られてくる
22時まで開いていたSOKOS地下のK-Marketで食料を調達して今日はおしまい
帰りに駅の公衆電話からEinoにTELをしたら 相変わらず酔っぱらっていそうな二人の声が聞けて それまでメソメソしていた自分の気持ちがすーっと楽になった