春の散歩

やきとりといえば皮

私の育った過程において 商店街はなくてはならないものだった
習い事の帰りのお楽しみの買い食い 行きつけのキャラクターのお店のおじさん
食べたこともないのにまずいと信じていたお店 どこか怪しいと思っていた 独特の香りのする漢方のお店
そういえばマツキヨだって 流行るずっとずっと前からなじみの店だった


成長し 地元を離れても常に商店街を求めていた
引っ越す先では必ず商店街の有無をチェックし 自然と有の街に惹かれていった


今の街には商店街がない
あるけど それは私の知っている活気のある商店街ではない
TVでも 地方の商店街がなくなっていくという報道が時々される
それでもまだ この国のどこかには 活き活きとした商店街がある
だいぶチェーン店に進出されてしまっているものの どこか懐かしい匂いのする店もある


今の街にないものといえば 緑
圧倒的に足りなくて 息苦しい
ちょっと足をのばし どこか住宅街の隙間に広がる緑の敷地を見つけて入り込むと 途端に深呼吸がしたくなる
時間がゆっくりと進み始め 鳥の鳴く声が聞こえてくる
どこまでも歩いていけるような気がしてくる


都心のお寺で健康を祈り 春の散歩を終えた