本を読んだ7

図解 フィンランド・メソッド入門

図解 フィンランド・メソッド入門

これは必見!
簡単なことで、でも日本の教育では軽視(無視?)されていた域
印象的なのは“「どうして?」と思うこと”
例えば、「牛乳が好きですか?」と質問されて、「はい好きです!」と答える人に「どうして?」と問う。
「おいしいから」と答えたら「どうして?」と聞く…
こんなやりとりを永遠に続けられるとうんざりする人も多いはず。
どうして?
ひとつに、日本人は、あまりにも“暗記”しすぎたんじゃないでしょうか。
思い起こせば、社会の時間、歴史上の事件・人物なんかは総暗記。テストでも年表がざ〜っと出てきて穴埋め。テストの前日に徹夜で覚えて、テストの後のピザ屋で全て忘れた。
国語の授業で大切だったのは漢字を“覚える”ことで、どうして漢字を覚えるのか、なんて聞く人も教える人もいなかった。作文は原稿用紙に感想を書くもので、それにどんな意味があって、どうやって書けばみんなにわかりやすいのかは、“なんとなく”賞をもらわなければわからなかったし、先生から感想をもらっても実際みんながどう思っているのかを聞くことはなかった。どうして先生がそう思うのかもわからなかった。


学校だけじゃない。バスに乗っていて、子どもが立ち上がると「だめ!」と叱る。「どうして?」って聞いても「バスなんだからだめ!」「どうして」「いいから座っていなさい!」「エーン!」…
兄弟がけんかしていると「こら、やめなさい!」とおにいちゃんに怒る「どうして?」「お兄ちゃんなんだからやめなさい!」「どうして?」「お兄ちゃんでしょ!」「エーン」…


「どうして?」を考えることはどこでも誰とでもできるはずだしできたはず。たった一つ、「どうして?」を増やすだけで、考えることが宇宙のごとく広がっていく
「脳の体操」なんちゃらってゲームをする前に、どうでしょうか。
こういうふうに考えることを面倒だなあって思う人が多ければ多いほど、今の日本は変わらない<悪くなる


もう一つおもしろかったのは、ディスカッションのルール。
たくさんのアイデアを持てばもつほど陥りがちな穴に落ちないよう、コミュニケーション力とのバランスを保ったこのルールはさすが!です。
TVを見ていると、頭の中は地位とお金のことしかないのに、さらにこのルールが守れていない人がいます。


この本を読み、実践することで、日々の生活にも、人間関係にも、仕事にも絶対影響がある考え方だと思っています。
とっても基本的なことを、わかりやす〜く書いてくれています。
ここで例示した「どうして?」の話はほんの1テーマにしかすぎません。もっともっと内容は濃い。なのに、びっくりするほど薄い本です。
発想の転換は大人になってからでも絶対変えることができるので、一人でも多くの人に実践してほしいフィンランド・メソッド