美術めぐり8

いい笑顔

植田正治写真展へ行った
事前準備もせず、期待もせず訪れたものの 素晴らしかった


被写体は構図のほとんどが意図的にアレンジされたものでありながら
その中にとても自然な何かを感じる
被写体の感情や背景の温度、天気、季節、香り…
また意図的に並べられた静物もまた 活き活きとしてかっこいい
センスのかたまり


戦前の人々の暮らしを写した「街路」という一枚にとても心を奪われた


1913年生まれの彼だから、戦前〜戦後の日本が残されている
中に平塚理容店という素敵な建物を写した一枚があった
高輪消防署はあれに匹敵するくらい素敵だが、今ではこうした建物にお目にかかることは到底できないだろう
たとえ残っていたとしても高層ビルにうずもれて探し出すのが困難だ


写真の中の人々はその頃 現代の人々の暮らしなんて想像もしていなかっただろう
木が鉄へ 薪が電気へ 土がアスファルト
そこに写る人々を見ていて思った
便利のない豊かさと 便利のある豊かさについて
今を否定するつもりはもうとうない でも 写真の中の子供たちを見ていると
どうしても何かを思わずにいられない


恵比寿といえばサッポロビール
恵比寿麦酒記念館にテイスティングスペースがある
いつも混んでいるが 250円で普段飲めないビールをおつまみつきで安く飲むことができる


美術館の後に 映画の後に 立ち飲みで軽く一杯
それが気持ちいい


ところでみんなは
恵比寿に何をしに行くんだろう