本を読んだ50/ティファニーで朝食を

そら


ティファニーで朝食を (新潮文庫)

ティファニーで朝食を (新潮文庫)

カポーティつながりでもう一冊
有名な 有名すぎる映画の影響か
といっても 私はあの映画をあまり真剣に見たことがないらしく ストーリーをちゃんと知らなかったのだけど
読んでいて ストーリーが非常に映像化しやすいなぁ と常に感じた
あ でも訳者のあとがき(私は村上バージョンではなく瀧口バージョンを読みました)によれば 映画はだいぶ小説と違った人物像をつくりあげてしまっているようなので 映画しか見たことない人は小説も是非どうぞ


小説には 終わりに短編集がついているものがある
今回もそうだったんだけど
最初の「ダイヤのギター」を読んでから この「ティファニー…」との共通点がクリアになって その途端 両方の話がとても良いものになった


突然目の前に現れた 自分とは似ても似つかない他人
なぜか言いようもなく 「好き」を超えた感情で惹かれていく
「好き」とは違うから 気持ちが離れるわけでもない
物理的な距離ができても いつも空を仰ぐとそこにいるみたいで あー 自分も頑張ろうかなーって元気をもらえる
そんな人々の話でした


この空を仰ぐ感じ これがとっても好きなのです
私の場合 なんかきっかけがあるわけではないのだけど
ときどきふと空を仰いで深呼吸すると すごーく幸せになってしまうときがあるのです


大好きな夏が近づいて そんな日も増えそうです


ちなみに もう一つの短編「クリスマスの思い出」もとても心温まるお話でした
娘を見ていると たとえば道を歩くありんこ一匹に大いに感動し 走り去る電車に感嘆の声をあげる 
そんな小さな幸せを「幸せ」と思える感情 いつまでも失いたくないし失わせたくない これからの何十年とある人生の中で たくさんの記憶を刻んでいってほしい
そんなことを思ったお話でした