映画を見た93/やさしくキスをして

いぎりすえいが



タイトルとカバーを見るとラブストーリーかしらと思う
大好きなケン・ローチ監督作品
人種も宗教もまったく違う人生をおくってきた人々が出会う壁
交通が驚異的に発展し 情報があふれる現代社会で 変わらない根深いたくさんのこと 変わってきたたくさんのこと


「人種」「宗教」といわれると 日本国内ではあまり身近なテーマではないかもしれない
たまに海外に出て 何らかの嫌な思いをしたり TVなどで毎日悲しいニュースを見聞きしたとしても
でも これらに潜むことと 私たちが身近で抱えている小さな問題から大きな悩みまでとの違いはなんだろう
全然違う、とまでいいきれるのだろうか


ケン・ローチの作品が好きなのは ことを簡単に片づけないこと
限られた作品の時間内に とうてい収まるはずのないテーマを 収めないこと
見終わった後に残された画面の向こうの私は まるで挑戦状をたたきつけられたかのような気分になる
忘れられない映画になる