うるるんフィンランド−7日目(5/28)

エスティポスト


それほど多くはないSaareemaの観光地の1つ、KALIINを訪れた
連れて行ってくれたのはもちろん、我らがJAAN
今朝は電話をしてから来るまで少し時間がかかった と思ったら 着くなりそのことをまくしたてるように話し始める
どうやらタイヤが壊れたらしいのね そんなに必死にしゃべるJAANが微笑ましくて憎めない


その昔 隕石が落ちたといわれる場所KALIIN 今は大きな湖があるばかり
結婚するカップルは 結婚式にこの場所へやってくる 花嫁が自分の旧姓を紙に書き ボトルにその紙を入れて封をして 湖に投げ入れる
そんな儀式があるんだとか


一応観光地らしいのだけど 月曜日ということもあってかひっそりとしている
あっという間に観光は終わり 再びKuressaare市街へ戻る
今日は昨日と違いにぎやかな市街 青空市場も開いている 
その中の一軒は 二人の行きつけのお店 ここで働くやはりJAANという名の男性は ドライバーのJAANとは違って物静かな学者風の人 体も細い
売っているのは全て手作りの工芸品 バターナイフや鍋敷き、カップからアクセサリーまで 色々なものを売っている
早速いくつかお土産に買う やっぱり物価はフィンランドと比較にならないほど安い


お買い物の後は恒例のビールタイム
見るものだと思っていた風車小屋は実はレストランで その風車のたもとにテラス席がある
ビールを頼むとチーズフリッターのような一品がサービスでついてきた これがおいしいこと!!
だいぶ暑くなってきたので ビールもおいしくて あっという間に飲み干してしまった
私たちもだいぶアルコールが強くなったのか 昼のビールにもびくともしなくなってきていた やっぱり“慣れ”ってあるんだなぁ・・・


サーモンムニエルのランチを終えて 今日もコテージの外でのんびり
午後の陽射しはゆるやかに いつまでも続いていく どんなに同じ時間を過ごしても やっぱり夢なんじゃないかって思うほど美しい日々
かっこうが低空飛行したかと思うと 家の屋根の中に入っていった
庭先の高い木の上には いつまでも飛ばない鳥が鳴いている
あぁ 夢ならさめないで


ここ数日 コーヒータイムに少しずつ日本からもってきたお菓子を出してみる
一番人気は柿の種だった おこげせんべいも大好評だったけど 芋けんぴは男性には甘かったかな
思ったよりずっと受け入れられたので嬉しかった


夜は昨日見た黒猪をもう一度 見るまで起きていよう!ということに
互いの国の話で盛り上がった
年金は税金から支払われるため 未納だ滞納だといった話は無縁 勤務時の60%が補償されるので必要十分な生活が確保できていること
医療費は一時的な支払いは発生するものの 全て返還されるため 無料であること
彼らにとっての日本のイメージは 家族のつながりが深く 老いても家族が面倒みてくれる社会、というものだったこと 現代の諸事情を話したら 互いに悲しくなったこと
私たちも フィンランド人といったら皆シャイだけど寛容で 優しい人々だといったイメージを持っていたが 彼らに言わせれば外部者を排除しようとする人もごまんといるし 自分たちのようなお話好きは奇異な目で見られることがあり 受け入れられないこともあるのだということ
・・・ どれも貴重な話ばかりだった


そしてお酒の力でヒートアップしたIrjaを先頭に まだまだ話は続く
今回の滞在に不安と期待を抱いていたのは もちろん彼らも同じで 特に食事についてはとても悩んだそう
でも私たち(特におっとさんだけど)の“なんでもおいしくたくさん頂く”食べっぷりにたいそうほっとしたんだと打ち明けられたとき なんだかぐんと互いの距離が縮まったような気がした
こうして再会でき 短くても一緒に過ごすことができた嬉しさを同じように感じていることを実感できた 最高に嬉しい夜だった


日をまたいだ頃 空が急に怪しくなってきた
夜通しどこかで「ドーン!」「ドーン!」と雷の音 突然の風雨 気まぐれな空だ