本を読んだ56/遠くの声を捜して
- 作者: 山田太一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1992/11
- メディア: 文庫
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おっとっと
またファンタジーか?!
と驚きつつ あっという間に読み終えた
29歳の秘めたる過去を持つ 結婚を控えた青年
仕事中に突如“淫蕩の嵐”に襲われ 聞こえるはずのない女性の“声”に“力”に人生を左右される
まず“淫蕩”がわからなくて「???」だったのだけど
この本では 誰にも触れられていないのに 今までに体験したことのない性的快感を味わってしまった ということだった
ストーリー自体はファンタジーな感じだけど
読んでいるとそもそもその“声”が空想であって 終始この男性が自分と対峙し自分と話し合っているかのようにも思えてくる
こうすることでしか自分と対峙できない弱さを見たようにも思える
もっとも
こうした弱さは誰しも持ち合わせているのである
「で、あなたは?」
な〜んて問いかけられたような。