本を読んだ39/フィンランドの教育力

んで新年の一冊目はこれ

フィンランドの教育力―なぜ、PISAで学力世界一になったのか (学研新書)

フィンランドの教育力―なぜ、PISAで学力世界一になったのか (学研新書)


これまでは外から見たフィンランド社会だったけれど 今回はフィンランド人から見たフィンランド 小学校の教師であり現在も日本に滞在している著者が語る国内事情は 意外にも日本と共通する部分が多く 興味深かった


たとえば学校に行けば先生も色々で 子どもとの立場の違いを明確にできない先生がいる
家に帰れば親になれない大人 大人になれない親 子どもと同じ立場でいたい親がいる
そんな内に子どもはあっという間に成長してしまうということ
こんな話は日本でもよく聞きます


いじめや体罰についても言及されていて 「いじめのない学校はない」と断言しています
男女のいじめの違いや彼女なりの対応など 参考になることも多いのでは
体罰については 日本ではいまだに「必要な体罰」なんて議論が起こってしまうけれど フィンランドではいかなる体罰も法律違反とされています 大人が与える力の行使に必要なものもいいものもない! と私は思うのではこれはうらやましい


その他タイトルの「教育力」という面でいけば これは前にも紹介したことがあるかもしれないけど
フィンランドが直面した過去の大不況時に教育大臣が述べたコメントが印象的
「経済不況の中での限られた予算を投資するなら、いちばん有効なのは子どもたちへの教育だ」
さあ 日本の政治家に こんな言葉を口にできる人がいったいいるのだろうか


教育システムについても図表で細かく説明されており わかりやすい
教師という仕事がどれだけ難しい仕事で それだけに憧れの職業でもありやりがいのある職業でもあるということも伝わってくる
カリキュラムについての教師の努力を読めば それだけのことをしてもらえれば受ける生徒の気持ちだって変わるだろうなと


日本では最近増えているのでしょうか?図書館の数
フィンランド人の図書館利用率、貸出率は世界一で本を読むことの大切さが子どもの頃から自然と教えられる


あぁ 結局今回もまたフィンランドをべたぼめか
ただし 先にも述べたように フィンランドにも日本と同じように現代らしい問題は山積していることがわかった
分かれ道となるのはそこから先の対応
それは国の対応であり 親の意識であり 学校の仕組みであり
まずは親の意識から といこうではないか
明るい子どもの未来のために(^_^)v