本を読んだ30/いのちの教科書

いなかでのこと


いのちの教科書―学校と家庭で育てたい生きる基礎力

いのちの教科書―学校と家庭で育てたい生きる基礎力


以前、NHKで放送された石川県の小学校でのこと
それは金森先生と学級の生徒がいのちをめぐって、たくさん話し合い成長していく姿を追ったドキュメンタリーだった
その、金森先生が書いた本
放送された以外にも たくさんのいのちをめぐる話があり 生徒たちの学びがあった
それらの学びは 家族を失った級友をえた自分の体験 動物などの生き物を育てる経験や いのちのはじまりや終わりを迎える人々から直接話を聞くことによって 体得したものばかり
だからこそ 自然と出てくる疑問があり 答えがあり 行動がある
一見「子どもにそんなこと…」と思うことが いとも素直に 子どもたちに吸収されていく


教室では常にみんなが自由に発言し それを聞き 受け入れる姿勢があった
教室以外でも子どもたちが意見をのべ 胸の内を吐き出す場がたくさん用意されていた
たくさんの周囲からの要求に行き詰まる子どもたちの声を 聞いてくれる人がいた


先生であろうと間違っていることには「それは違う!」と異議を唱えられる
辛い境遇にたった仲間を見て 心からの精一杯の言葉をかけてやれる
そんな姿を見たら “大人が子どもを育ててやってんだ”なんて概念はふっとび そんなことを考える人は自分が恥ずかしくすら思うだろう


学校だけのことに限らず 子どもを取り巻くすべての環境において 学ぶべきことがたくさんつまった本だと思う