スペイン&モロッコの旅−6日目(5/27)

12時発のCTMなので、ゆっくり起床。土曜日なので、街ものんびりめ、かな。
散歩がてら朝食をとろうとメディナをさまよっていたら、予定とは違ったけどかわいいお店を見つけた。
近寄ると、愛想のいいおじさんが朝食できるって言うからここに決定。
朝メニューは1つしかないみたいなので、カフェをプラスしてもらう。

このお店は小さな小さな広場に面しているのだけど、他にもキオスクみたいなお店や常連の露店などがあったりして、皆で手分けして広場の掃除をしていた。
でも、そのうちの1人がどうも荒っぽい人で、道行く人とすぐにけんかになる。
私たちが朝食をとる、ほんの少しの時間でなんと2回もとっくみあいの喧嘩に!
そういえば、フェズでも子ども達が本気で石を投げ合って喧嘩をしたり、ここシャウエンにいたっては昨日もマジ喧嘩を見た。
普通に話をしていても情熱たっぷりなので、こんなこともしばしば起こるのだろう。
あまり見慣れない私にはドキドキの連続だった。


フェズ&シャウエンで思ったこと。
人と人の関係が近いな、ということ。
大人と大人も、大人と子どもも。知り合いであろうとなかろうと、助けが必要なときは手を貸してやり、いけないと思ったことには構わず説教をする。いつもどこかで誰かが見ていてくれる、という安心感を感じた。
フェズでもシャウエンでも、大人が子どもの喧嘩を止めたり、いたずらを説教する。
そこに優しさがあることを感じたのは、子どもの表情からかな。怒られていても、笑顔のような安堵の表情が見え隠れしている。
時々お店やカフェにホームレスのような人が現れても、不必要に邪険にすることもない。例えば「残り物をくれ」といわれればあげられるものをそれとなくあげていたし、小銭だってあげられる人があげられる範囲であげている。
ロッコの野良猫を見れば、いかにこの国に余裕がないか、無駄がないか、日本がいかに無駄大国かということが一目瞭然なんだけど、でもそれでも人々は助け合っている。
日本も、ひとむかし前はそうじゃなかったのかな。 人って、そうやって生きていく生き物じゃなかったのかな。


シャウエン。フェズに比べればずっと小さいはずなのに、なぜか迷う。


CTMターミナルまでプチタクに乗っていきたいけど、交通規制をしていてなかなかタクシーがつかまらない。
ここでも地元の人が助けてくれて、なんとか乗り込む。
途中、一人のバックパッカ−を見かける。ターミナルで再び会った彼女は、昨夜同じ宿の向かいの部屋に泊まっていたカナダ人の女の子だ。
昨日シャワーのお湯が出ない!と教えてくれた子だ(そうそう、昨晩はお湯が出なかったんです。。。モロッコでは多いって聞いていましたが、どうもスタッフが夜ボイラーをしめてしまったみたいでした)。
着くなり私たちに不満をぶちまける。どうやら道すがら果物やにぼったくられたらしい。「りんご2つで20DHもとられた!」
あらあら…私たちは昨日プラムとびわを買ったけど1DHもしなかったのに。
友達に会いにティトゥアンに向かうという彼女も同じバスに乗って出発。


シャウエンからティトゥアンは2時間だと聞いていた。
昨日よりずっと山道を走っている気分だ。でも短いしね、平気だろうと、雲の厚くなってきた空を見ながら、次の計画をたてたりしていました。
…30分後、ついに、ついにあの恐れていた出来事が現実のものに(涙)
地元の人が酔ってしまったのね。。。しかも酔いやすいなら何か準備してきてくれればよかったのに、何も持っていないものだから。。。
すぐに一緒に勝手に具合を悪くしてしまう私は、本当に申し訳ないと思いつつ、とにかくタオルを巻いて、とにかく忘れようと必死に外を見て、違うことを考えていた。もう写真とかビデオとかどうでもいい。とにかく私は元気だ!と言い聞かせて時を過ごしていた。
すると奇跡が起きた!
なんと、2時間のはずの行程がたったの1時間で目的地に着いたのだ!なんて奇跡だ!と涙が出るほど嬉しくて、急いでバスを降りる。
ところが。嬉しさいっぱいの私の横で、タオルも巻かず私の心配をしてくれて1時間ひたすら耐えたおっとさんは、相当具合が悪くなっていた。
この状態でもう1時間は到底もたないと思っていただけに、彼もほっとしたものの、顔色が悪い。いかん、ここは私が頑張らねば。
明日のタンジェ行きのバスはいい時間がないし、セウタへ行くという考えも浮上してきたし、とりあえずバスチケットは買わずに宿探しに向かう。


そういえば、景色もまともに記憶になかったのですが、ティトゥアンはあいにくの雨。
新しい街でいきなり雨となると、少々ナーバスになる。新市街なのか、雰囲気も全く違う場所で、道もわかりづらい。
と、シャウエンから一緒の彼女がいたので、ここでも一緒に宿を探すことにする。
少し歩き始めると、すぐに男の人が声をかけてきた。私たちは「助かった〜」とばかりに道を教えてもらおうとしたところ、横にいた彼女が「答えちゃだめ!お金とられるよ!」って。すごい形相だ。
確かにお金を少しはあげることになるだろうけど、それでも私たちは彼に助けてもらいたいよ、と彼女を制止し、彼につれていってもらう。おかげで地図を見ながら歩くこともしないですむ。


ティトゥアンはメディナの中に宿がないので、外で探すしかない。どのホテルもでかいな。日本のビジネスホテルみたいだ。いや、それ以上の大きさかも。
歩き方にのっていた最初のホテルは、シャワーが全くないという。雰囲気はよかったのだけど。
次にロンプラにのっていたHotel Principeへ向かう。聞けばシャワー付きでツインが100DHだという。安いじゃないか!
早速部屋を見せてもらって少し休む。よかった。これでおっとさんも休めるよ。
室内もビジネスホテルそのもののこの部屋に決定。今日は私がチェックインに行く。


フロントへ降りると、先ほどの彼女再び。またもめている。
女の子一人のバックパッカーからしょうがないのだけど、常に殺気立っている彼女は、人と話すときも常に怖い。
だから相手の顔にも笑顔がない。
どうしたのかと聞けば、パスポートのコピーしか持っていないらしく、ホテルが認めてくれないのだという。有効なコピーだということを証明するため(?)に、これから警察へ行くのだとか。
そういえば荷物が小さい、と思っていたけど、どうやらタンジェに大きい荷物は全て置いてきたらしい。でもパスポートまで置いてくるとはね。ま、ホテルの人も大目に見てあげればいいのになぜそんなに意固地になるのか。この街も外国人が嫌いなのかな。
話を聞いてあげることくらいしかできない私は彼女を見送ってチェックインをする。
ついでに明日のスペイン行きの話をしたら、やっぱりティトゥアンからはセウタに出る方がいいのだとか!
すぐ目の前からタクシーが出るよっていうし、タクシーならすぐに出発するし、もうバスはこりごりなので、グラタクに決定!これで落ち着いた。さっきまで目をつりあげていたフロントのおじさんも、優しく対応してくれた。多分、ゆっくり話すのがいいのだと思います。


やっとほっとした私たち。
おっとさんの体調も回復してきたので、遅いランチ&観光をすることに。
ティトゥアンは海のそばの街なので、シーフードが食べられることをチェックしてきた私たちは、メディナそばの広いレストランに入る。
感じのいいお兄さんが、メニューの内容や、おすすめなど、色々と細かく説明してくれた。
ロッコ最後のちゃんとした料理になるから、と豪華に楽しむことに。スペインの何分の一の値段でおいしいパエリアも食べられるし、エビのカクテルサラダや魚のフライ、スープにデザートまで、お腹いっぱい堪能しました♪いいお店でした!

ティトゥアンのメディナ
まず魚のスークがある。さすが。
観光客がゼロ。だから今までにない目で見られる。すごく混んでいる。
また緊張しはじめた私を横目に、おっとさんは非常に楽しんでいる。ここに来るまでは、シャウエンのような観光地っぽい印象じゃないかと疑念を抱いていただけに、また、モロッコで最もたちの悪いガイドのいる街だ、と書いてあるガイドブックがあっただけに、予想外の雰囲気に元気百倍ってかんじ。よかったよかった。
からかって声をかけてくる人もほとんどおらず、でも歩く速さを落とすと地元の人の足並みを乱すので、一心不乱に歩く。
とはいえ、何周かするうちに慣れてきて、お土産を買ったりして楽しみだす。
お菓子屋や文房具屋なんて、これまでなかったな。おもしろい。でもお菓子はいまいち。


雨だからか、いつもよりも早く疲れてしまった。
ホテルの1Fに大きなカフェがある。地元の人が集まって本を読んだりおしゃべりを楽しんだり(あ、もちろん男性のみです)。
ウェイターもきちっと制服をかっこよく着こなしたおじさん。
おしゃべりを楽しむおじさんたちの横にこしかけ、最後のミントティーを楽しみ、少しおじさんたちと会話を交わして部屋へ戻りました。